「中野騒動」により、古い資料の多くを焼失したため正確な創業の年代や蔵元の代数は不明です。
しかし、嘉永6年(1853)には酒造業が行われており、家の代数も6代前までは判明しています。
一方で、蔵に残る石灯篭には文政12年(1825)と刻まれており、「井賀屋」という屋号はかなり古くから続いていたと思われます。
当時、酒造業の権利は売買されており、その際に屋号も併せて売買されることも有り、「井賀屋」という屋号は様々な家によって引き継がれてきた屋号です。
明治34年(1901)に現在の小古井家が屋号を引き継ぎます。
当時の蔵元、小古井諦造が良い酒を造るための仕込み水を探し求めていたとき、生家「岩舟」で湧いていた清水を用いて酒を仕込んだところ、非常に美味しい酒が出来たことから「岩清水」が誕生し、現在に至ります。
現在「岩清水」では長野県が指定する酒米、美山錦、ひとごこち、山恵錦の3種類を便用しております。
当蔵で便用する酒米はすぺて地元の農家様と直接契約し、弊社のためにお米を「減農薬・減化学肥料」で作っていただいており、栽培方法・土壌を分析し、作付けする水田を選定・指定するなど、各ブランドに最適な酒造米を育成する原点を大切にしています。
当蔵では非常に柔らかい水質の超軟水を使用しております。それは、麹の歩合を増して造る当蔵独自の製法に必要不可欠であり、生命力の強い麹を仕込みに使用することにより、ビタミン類や酵素が強く醗酵が過剰にならない様にコントロールするためなのです。
低温で仕込むことにより、酵母の醗酵がゆるやかになり、酒も荒々しさがなくなり、新酒の時点で柔らかく美味しい酒になります。
また、当蔵独自の「5割麹」技法にも低温による醸造は欠かせません。
そのためには、変化しやすくデリケートな生酒に搾りの工程も含めてストレスを掛けない様に時間を惜しみなく使い醸造しています。また、搾る過程から-5℃以下を保つ様にしています。